映画「きっと星のせいじゃない」には様々な名言が登場しますよね。

なんか普通に「名言」なんて括りで語ると、少し軽いような気もするくらい、この映画を見ると、人を愛すること、生きること、そして死ぬことの意味を深く考えさせられますし、名言というありきたりな言葉で表現するのがもったいないくらい「普段の何気ない会話の言葉」がキラキラと輝いていて、見るものの心を引きつけてやまない、そんな作品だと思います。

そもそもこの映画の邦題「きっと星のせいじゃない」は、原題オリジナルタイトルでは「The Fault in Our Stars」となっています。これは数々の名言を残したシェークスピアの「ジュリアス・シーザー」という戯曲の中で、キャシアスがブルータスに言った台詞から引用された言葉です。

The fault, dear Brutus, is not in our stars, But in ourselves, that we are underlings.

ブルータス、運勢の星が悪いのではない、全ての罪は私たち自身の中にある

つまり、映画の原題「The Fault in Our Stars」は直訳では「全ての過ちは運命の星が悪いのだ」そう言い切った言葉のようですが、そもそものシェイクスピアの引用を知って入れば「全ての罪は私たち自身の中にある」=「きっと星のせいじゃない」とイコールで結びつくわけです。

このあたりが非常にこんがらがりますが、映画を見た上で考えてみると、この邦題も名言・名訳と言えるタイトル付けなのではないかと思います。

スポンサーリンク

「きっと星のせいじゃない」の名言タイトルに学ぶ

映画「きっと星のせいじゃない」には主語がありませんが、主語は一体何になるんでしょう?そこが、この映画「きっと星のせいじゃない」の解釈にも繋がってくるような気がします。

物語のあらすじをごくごく簡単に言うと、インディアナ州インディアナポリスを舞台にした、ガン患者のヘイゼルという16歳の少女とオーガスタスという骨肉腫で足を失った少年との淡い恋の物語です。

物語の前提として、二人には「死」というものの影が深く刻まれています

否応なしに二人の恋の行く末には、どちらかの「死」が確実に起こるだろうと見るものは予想するでしょうし、それ故に普段の二人の何気ない会話や仕草さえも、生き生きとした命の存在を強く感じさせてくれます。映画の終盤には、二人のお気に入りの作家が住むオランダ・アムステルダムに行くことになりますが、それは互いが相手に対して持つ「愛の深さ」を改めて気づかせる旅になります。

不治の病を受け止めざるを得ない状況の二人が、その病をも乗り越えて二人の共通の目的地へ向かう旅は、残された時間を懸命に生きる姿に心が震える瞬間でもありました。

きっと、星のせいじゃない。

映画を体験した後考えた「きっと星せいじゃない」の主語は、きっととても前向きでポジティブな「主体的に生きる」という解釈でした。

人はそれぞれ抱えた境遇こそ違えど、人それぞれの人生を輝かせるられるのは、きっとその人自身次第なんだ、そんなことを教えてくれる言葉なんじゃないかなと思います。

映画「きっと星のせいじゃない」の生まれた背景

原作者のジョン・グリーンは、この本を書いた経緯の話の中で、

一般的に、私たちは重い病気を患っている人や末期患者を全くの他人だと思ってしまう。
だからこそ、僕は、そうした人々の本当の人間像を描き出したかった

そう語っています。

そしてそんな中で、ヘイゼルのモデルにもなった甲状腺ガンと宣告された少女エスター・アールに出会ったそうです。映画の主人公・ヘイゼル同様に酸素タンクを持ち歩いているエスターを、ハリーポッターコンベンションで見つけたのがモデルになったエスターと原作者ジョン・グリーンの出逢いだったそうです。

重い病にも決して弱音を吐かずユーモアある彼女にジョンは惹かれ、その交流は2010年にエスターが16歳でが亡くなるまで続いたそうです。

映画の主人公ヘイゼルの年齢設定が16歳である理由も、エスター・アールへ捧げる作品だという印象をさらに深めるエピソードだと思います。

「人は2度死ぬ」という言葉がありますよね。1度目は自らの命が途絶えた瞬間、そして2度目は人々の記憶から消えてしまった瞬間。こんなことを考える時、原作者のジョン・グリーンは、少女エスター・アールが生きたことを人々が決して忘れないように小説にしたのだろうと思いますし、また映画の中では、彼女は16歳以降の人生を主人公・エスターとして生き続けることができた。

そう考えると作品に込められた深い思いに思わず胸が熱くなりますし、人は生きているだけで本当に素晴らしいのだと改めて気付かせてくれるのではないでしょうか。

スタッブ・キャスト

監督ジョシュ・ブーン
製作ウィク・ゴッドフリー
マーティ・ボーウェン
製作総指揮ミシェル・インペラート・スタービル
アイザック・クラウスナー
原作ジョン・グリーン
脚本スコット・ノイスタッター
マイケル・H・ウェバー
撮影ベン・リチャードソン
美術モリー・ヒューズ
衣装メアリー・クレア・ハンナン
編集ロブ・サリバン
音楽マイク・モーギス
ネイト・ウォルコット
役名・役柄俳優名
ヘイゼル・グレース・ランカスターシャイリーン・ウッドリー
オーガスタス・ウォルターズ アンセル・エルゴート
アイザック: オーガスタスの親友ナット・ウルフ
フラニー・ランカスター: ヘイゼルの母親ローラ・ダーン
マイケル・ランカスター : ヘイゼルの父親サム・トラメル
ピーター・ヴァン・ホーテンウィレム・デフォー
ルドウィグ・ヴリーゲンサート : ヴァン・ホーテンのアシスタントロッテ・ファービーク
パトリックマイク・バービリア
幼少時のヘイゼル リリー・ケンナ

数々の名言とエピソード

さて終わりに、映画「きっと星のせいじゃない」の印象的な言葉を少し。

生きていれば傷つくこともあるけど、その相手は選べる

葬式は生きている残された人たちのもの

0と1の間には無限の数があって、繋がっている

あげればキリがありませんし、人それぞれの立場や感性で響いてくる言葉は違うと思うので、あとは是非、映画を実際にご覧になって、あなたなりの名言を探して欲しいと思います。

イヴァナチャバックの来日ワークショプでも、映画「きっと星のせいじゃない」は過去2度ほどプレイヤーたちが演じていますが、それは二人がレストランで食事をするシーンでした。

そのシーンでオーガスタスは、ヘーゼルに愛の言葉を伝えるのですが、そのセリフが個人的にはとても印象に残っています。

GUS: I’m in love with you. And I know that love is just a shout into the void,and that oblivion is inevitable, and that we’re all doomed and that there will come a day when all our labor has been returned to dust, and I know the sun will swallow the only earth we’ll ever have, and I am in love with you.

ガス:君のことが好きだ。愛が無への叫びでしかないこともわかっているし、忘却は避けられないことも分かっているし、誰しも死ぬ運命にあることも、努力がいつか全て徒労になる日がやってくることも、かけがいのない地球を太陽がいずれ呑み込んでしまうこともわかっている。だけど、君のことが好きだ。

お互いが愛するが故に、後に残された者の気持ちを考えると、軽々しく本当の気持ちを伝えられない、でも本人に自分の言葉で直接伝えたい。そんな複雑な気持ちが痛いほど伝わるまさしく素晴らしいシーンだと思います。

さて、そのレストランでシャンパンを開けるときにウエイターが言った言葉を最後に紹介しておこうと思います。

I am tasting the stars.

今、僕は星の味をみてるところさ.

この台詞は、発酵中のワインを瓶詰めして放置したところ偶然シャンパン(あの有名な「ドンペリ」)ができた時、ドンペリニヨンが「まるで星を飲んでいるようだ」と叫んだという有名なエピソードがその下敷きになっています。

これは偶然の一致でしょうか?

映画「きっと、星のせいじゃない」の星とドンペリニヨンが「まるで星を飲んでいるようだ」の星。

名言であろうがなかろうが、人は人と繋がって生きているし、世界は全て繋がっている。何かそんな深い余韻を残す言葉だと思いませんか?

是非、映画のみならず、もし機会があればイヴァナのワークショプで、日本人プレイヤーたちの演じる「きっと星のせいじゃない」のシーンを見ていただける機会があればと思います。

きっと、星のせいじゃない。ですからね。