メソッド演技には実に色々な”流派”がありますが、それぞれに特徴があります。

ここでは深く掘り下げませんが、さまざまな”流派”があっても根本的な本質は同じ。ごく簡単に言えば、心理学をベースにして役・キャラクターを掘り下げる演技技術といっていいと思います。

流派の源流を遡ると、ロシア革命前後を通して活躍したロシア(旧ソ連)の俳優で演出家のコンスタンチン・スタニスラフスキーに辿りつきます

”メソッド演技法(メソッドえんぎほう、英: Method acting)とは

コンスタンチン・スタニスラフスキーの影響を受けたリー・ストラスバーグらアメリカの演劇陣によって、1940年代にニューヨークの演劇で確立・体系化された演技法・演劇理論である。役柄の内面に注目し、感情を追体験することなどによって、より自然でリアリステックな演技・表現を行うことに特徴がある。(出典:ウィキペディア)

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メソッド演技を習得したいって?で、その理由は?

メソッド演技は、体系立てられた演技理論を深く理解し、その実践を繰り返して技術を習得し続け、舞台や映画などのキャラクター造形に生かし、生き生きとした”その俳優ならではの身体表現に結びつけるテクニック”です。

そう。テクニックですから技術習得にここが頂点という一つの絶対的な到達点など存在しません。メソッドを使ってトライしては失敗してうまく使えず、時にはうまく行き、で、再びそれまでのアプローチを検証してまた試して、というあまたの試行錯誤を繰り返すことで自分ならではのパワフルなキャラクター造形への道を探っていく、とても骨の折れる作業です。

メソッドの深い理解と繰り返しの練習なしに、習得はありえません。

なので、一生かけて自分と向き合っていく覚悟が、まずメソッド演技術を使いたいと考える俳優には必要、いや必要不可欠だと個人的には思います。その覚悟がないのなら、結論から言えば、メソッド演技を使わないのも当然ありです。

世界的に有名なアカデミー俳優の中には、メソッド演技をハナから認めず否定さえしている人物もいるので、選択はもちろん俳優の自由であることは言うまでもありません。

その一方で、一朝一夕では習得応用できない心理的な技術・アプローチだからこそ、毎日コツコツ学び続ける人には向いているんだろうと思います。ただ「そりゃ大変だな〜」と敬遠したいと考えている方も、実践に使わずとも、その内容を知っておくだけでも十分に価値はあると個人的には思いますし、演技のみならず、私生活やキャリアアップ、人間関係構築にも心理学を知っていることは大変意味があると思います。

もしこの記事を読んでいるあなたが役者か役者希望の方であるならば、”どれだけいい俳優になりたいか”、その具体的なゴールやビジョン”があってこその道具ですから、まずは自分自身の気持ちと向き合うことが大事なのは言うまでもありません。

ここまで大変偉そうな御託を並べてきましたが、さっそくメソッド演技についてお話ししていこうと思います。

かくいう僕が学んだのは、映画の都・ハリウッドで活躍するイヴァナ・チャバックというアクティングコーチの提唱するメソッド演技テクニックです。

そもそも僕自身、テレビドラマや映画の監督・演出を生業としてきている人間なので、役者の役作りや生理、また「演技、演じるとは一体なんなのか?」について、もっと深掘りしたいという欲求がメソッド演技を学び始めたきっかけでした。また自分が実際に役者として表現する側に回って感じること、メソッドを使ったその時に頭や身体にどんな変化を体感できるのかにも大変興味がありました。

そして、2019年にイヴァナ・チャバックの来日ワークショップを見て感銘を受け、翌年、僕は2020年に渡米し、ハリウッドでイヴァナ・チャバック認定のアクティングコーチ資格を習得したわけです。

イヴァナ・チャバックって、何者なんだ?

さて、色々とメソッド演技のお話しをする前に、まずは最初に、僕が学んだイヴァナ・チャバックについて少しお話ししておきましょう。

イヴァナ・チャバックは、LAにあるイヴァナ・チャバック・スタジオの創設者兼アクティングコーチであり、世界各国で広く採用されているチャバック・テクニックの創始者・考案者です。

様々あるメソッド演技術の源流は、遡ればロシアのスタニスラフスキーに辿りつくと少し前に書きましたが、そのロシアのメディアや俳優コミュニティからは「今世紀のスタニスラフスキー」と称される高い栄誉を受けています。

ロシア国際映画祭では、レオナルド・ディカプリオ、ウィリアム・フリードキン、フランシス・フォード・コッポラらと共に、映画産業への貢献が認められ生涯功労賞を受賞している、まさに世界を代表するアクティングコーチが、イヴァナ・チャバックです。

35年以上のキャリアで共演した彼女の教え子は、アカデミー賞受賞者やノミネート者に常連のように名を連ねる、勿論、あなたも知っている有名俳優もあまた存在するんじゃないかと思います。

有名な代表格の俳優は、

  • シャーリーズ・セロン
  • ジェームズ・フランコ 
  • ブラッド・ピット
  • ハル・ベリー
  • ジェイク・ジレンホール 
  • ジム・キャリー
  • メグ・ライアン
  • エリザベス・シュー 
  • シルベスター・スタローン
  • ジョン・ヴォイト
  • キャリー=アン・モス
  • キャサリン・キーナー
  • リヴ・タイラー
  • ジェシカ・アルバ
  • ジモン・ホンソウ
  • テレンス・ハワード 
  • ジャレッド・レト
  • ジェニファー・ビールズ

また、その他の教え子たちにも、アカデミー賞、エミー賞、トニー賞、批評家賞、その他多くの国際的な映画、テレビ、演劇の賞で高い評価を得ています。

ジェラルド・バトラーデヴィッド・ボレアナズクリス・パインガル・ガドット
シャイア・ラブーフジュディス・ライトエヴァ・メンデスクレイグ・ロビンソン
ケイト・ウォルシュデイモン・ウェイアンズケイト・ボスワースパメラ・アンダーソン
アイラ・フィッシャーメアリー・J. ブライジシム・リューアメリカ・フェレーラ
シエナ・ミラーキャット・グラハムデヴィッド・スペードアリ・ラーター
オーブリー・プラザビヨンセ・ノウルズミーガン・グッドイアン・サマーホルダー
クロエ・ファインマンロバート・タウンゼントマリン・アッカーマンピンク
コモンモリス・チェストナットメアリー・エリザベス・ウィンステッドエイミー・スマート
エリック・ラサールエミリア・クラークパトリシア・ベラスケスニール・フリン
エミリー・デシャネルカティア・ハーバーズギャリー・シャンドリングマシュー・ペリー
エイミー・ブレネマンジェシカ・ビールトラヴィス・フィメルデイヴィッド・エイヤー
ターシャ・スミスミア・ゴスイヴァンナ・サクノマリア・ガブリエラ・デ・ファリア

などなど。どうでしょうか、あなたの知っている俳優の名前がありましたか?

そして、今現在も尚、毎日のようにロスのイヴァナスタジオには老若男女の生徒たちが世界中から数多く通い、毎日のように切磋琢磨して演技術を磨きつつ、オーディションを勝ち取る努力を積み重ねています。次のハリウッドスター登場も、またイヴァナのスタジオからかも知れません。

さて、次の記事では、イヴァナ・チャバックのテクニックについて少し話していこうかと思います。