タイトルに数字が入っている映画といえば、どんな映画が浮かぶでしょう?

例えば、

  • ゼロ・グラビティー
  • 3つ数えろ
  • 五福星
  • 7人の侍
  • セブン
  • オーシャンズ11

ちょっと考えただけでも意外と思い浮かぶのではないではないかと思いますが、そもそも数字そのものにも色々な意味が隠されていることはご存知だと思います。イヴァナチャバック・ワークショプでも、過去採用された映画の中には、8月の家族たち(数字の8)やノーカントリー(数字の0)などかそういえばありました。

ただ、今回は少しひねって、タイトルに数字が入っていないけれど、その主要登場人物が11人の映画。

1998年に全米公開された映画「マイ・ハート、マイ・ラブ」(原題: Playing by Heart)という群像劇コメディをご紹介したいと思います。

群像劇映画は数々あれど、この映画最大のセールスポイントはその11人の豪華キャスト。ロサンゼルスを舞台に11人の男と女が集まり、そののっぴきならない人間模様を軽妙に描いたコメディ作品です。

役名俳優名
メレディスジリアン・アンダーソン
ミルドレットエレン・バースティン
ポール ショーン・コネリー
ロジャーアンソニー・エドワーズ
ジョーンアンジェリーナ・ジョリー
マークジェイ・モーア
キーナンライアン・フィリップ
ヒューデニス・クエイド
ハンナジーナ・ローランズ
トレントジョン・スチュワート
グレイシーマデリーン・ストウ
弁護士ナスターシャ・キンスキー(クレジットなし)
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映画「マイ・ハート、マイ・ラブ」

映画の主要舞台になるのは、ロサンゼルスの豪華な家で暮らすTVプロデューサー・ポールと妻で料理研究家のハンナの邸宅。結婚40周年記念パーティ-の会場です。

そこにそれぞれの事情を抱えた男たち、女たちが現れ、思いもしなかった人間喜劇が繰り広げられるというストーリー。

集まる面々は以下の通り

【主催者の熟年夫婦】
・TVプロデューサーのポール(ショーン・コネリー)
・妻で料理研究家のハンナ(ジーナ・ローランズ)

【恋愛進行中・・・?】
・女優の卵で恋多き女性のジョーン(アンジェリーナ・ジョリー)
・ある秘密を抱えた男(ライアン・フィリップ)

【不倫カップル】
・不倫を続けるグレイシー(マデリーン・ストウ)
・不倫相手の牧師ロジャー(アンソニー・エドワーズ)

【即興芝居の名手】
・日夜でっちあげの身の上話をバーで語り続けるヒュー(デニス・クエイド)

【恋愛へと進むのか・・・カップル】
・舞台演出家で恋に臆病なメレディス(ジリアン・アンダーソン)
・バツイチ建築家のトレント(ジョン・スチュアート)

【母親と息子】
・エイズに感染し死期が迫っている同性愛者のマーク(ジェイ・モーア)
・マークの母親のミルドレット(エレン・バースティン)

結婚記念パーティ-を盛り上げる華麗な音楽ともにダンスの時間がはじまると、ダンスのパートナーを求めるそれぞれの男女の輪の中で、思いもしなかった人間模様が交錯していきます。それぞれの人生を生きる男女11人の意外な関係とは、果たして・・・。

是非、結末は映画をご覧になってください。

制作スタッフ

監督・脚本 ウィラード・キャロル
製作 ウィラード・キャロル
メグ・ライバーマン
トム・ウィルハイト
製作総指揮 ガイ・イースト
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
ナイジェル・シンクレア
ポール・フェルドシャー
音楽 ジョン・バリー
撮影 ヴィルモス・スィグモンド
編集 ピエトロ・スカリア

数字の11に隠された意味を読み解く

映画「マイ・ハート、マイ・ラブ」のオリジナルタイトルは、「Playing by Heart」

邦題には採用されていませんが、「play」には色んな意味がありますよね。「遊ぶ」「楽しむ」というニュアンスで捉えている方が多いと思いますが、その意味の中には芝居などを「演じる」という意味もあります。

監督・脚本を務めたウィラード・キャロルがこの映画脚本を思い立ったのは、ある友人が言った「愛について言葉で語るのは、建築をダンスで表現するようなものだ」というひと言だったそうです。

つまり、言葉というものだけで「愛」を伝えるのは、とても難しいということ。

ちなみにここでいう「愛」は男女間の恋愛に関するものだけでなく、親子や友人など自分にとって大切な人に対する「愛」だと僕自身は考えています。

一番身近にいるからこそ、この「愛」を言葉だけで伝えるのは難しい。これは皆さんの人生を振り返っても、とても共感できる言葉ではないかと思いますし、「楽しむ(play)」がいつのまにか「演じる・ふりをする(play)」になっているのでは、という悩みを持つのは、なにも日本のみならず、万国共通の感覚のようですね。

また占いやスピリチャルな世界が好きな方はご存知だと思いますが、古くから数字は神秘的なものとつながりがあると考えれてきた歴史があります。

数字は独自の波動と周波数を持っていて、私たちに影響している。エンジェルナンバー(天使が届ける数字)なんて考え方もあるようですしその中でも11はマスターナンバーと言われる非常にパワフルな数字なんだとか。

そこで数字の11の持つ意味を調べてみると「新しいスタート」とありました。

監督が愛の物語を創作するにあたり、登場人物を11人に設定したのも、偶然ではなく、創作の神様が知恵を与えてくれたのかも知れません。映画のタイトルというのは、その作品の本質を捕まえる手がかりになるものですし、俳優として脚本分析をする場合にも、より深い考察をすることは有効だと思います。

ちょっとスピリチャルな内容になってしましたが、演技自身がそもそも神事と深く関わっている行為ですから、こういうアプローチを試してみるのも面白いかも知れませんよ。

おまけ:製作・監督・脚本のウィラード・キャロルは語る

愛について、今までにたくさんの本や詩、歌が生まれました。どれもとらえどころのない感情を、何とかことばに表現しようとしている。愛にもコミュニケーションが必要だ。ロマンチックな、あるいはセクシーな状況だけではない、家族の中でも同じ。コミュニケーションはすべての鍵、でも大変難しい。この作品の登場人物は愛について語ろうとするが、大切なのは語ろうとするその姿勢。この作品は、扉を閉めようとする流れに逆らって、扉を開く映画といえるだろう

キャロルが執筆を思いたったのは、ある友人の「愛についてことばで語るのは、建築をダンスで表現するようなものだ。」というひとことがきっかけ。そのことば、そして、人間が一番話したいこと、必要としていることこそ、ことばに表現し難いものだという皮肉な認識が、キャロルの頭を去らなかった。「トーンと雰囲気がそれぞれ異なる展開のストーリーに、愛について何かを理解するという共通の試練を設定したらどうだろう。」と思い執筆するうちに、キャロル自身も予期せぬ出来事や問いかけを生み出すことに気づいた。「自分の企画に沿って筆を進めるうちに、登場人物は成長し、考えもしなかった方向へ自分で歩き始めた。まったく型にとらわれない、不思議な物語が生まれた。」とキャロル語る